君と桜と
結衣ちゃんがこっちに気付いて、おはよう、と笑顔で手を振ってきた。
奈緒はぎこちない笑顔で返す。
「ほら、三谷君に報告するんでしょ、行っておいで。」
そう言って絢が背中を押してくれるけれど。
「ううん、また、あとでいいや。」
「奈緒・・・?」
教室から急いで出る。
そうじゃないと、不快な感情が溢れかえってしまいそうだった。
結衣ちゃんは何も悪くないのに。
ただの友達なのに嫉妬なんて、相手にしてみれば迷惑なだけだよ・・・。