good-friend
バレンタインの前日、文香は久しぶりに家のキッチンに立った。


「あら。めずらしい。夕飯でもつくってくれるのかしら。」


ママがからかってくる。


「違うよ。バレンタインのお菓子作るの。」


「好きな人でもできたの?」


「違う。友達にあげるんだよ。」


「良太くんに?」


「う、うん。もう、いいから、あっち行ってて。」


「フフ、はいはい。」



出来上がったブラウニーは初めてとは思えないほど上出来だった。

セットになっていたから、混ぜて焼いただけなのだけど・・・


一番良い所を先輩にとっておいて、ちょっとこげた所をパパにあげて

後、良太にも少しあげよっか。。。


きれいな袋の口をリボンで絞って、くまのキーホルダーをつけた。


2つもあるとちょっと変かな・・・良太にあげる方にもつけておこう。




ああーいよいよ明日か・・・

緊張する。。。ダメでもともと。がんばろ。




心地よい期待と不安の中で、文香は眠りについた。


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