good-friend
「おまたせ。先輩」


「勉強どうだった?はかどったか?」


「うん。このまえ、中村兄に教えてもらったとこ、ばっちりマスターしたから。」


先輩とつきあってから文香は数学の成績がグンと伸びた。家に遊びに行くと、時々中村先生がいてて分からないところを教えてくれたからだ。


「そっか。よかった。。。気になってたんだけど、いい加減 中村先輩って呼び方、やめれば?」


「なんて呼んだらいいのか分からないもん」


「名前でいいよ」


「幸治?・・・なんか恥ずかしいよ。コウジ(笑)」


「それでいいじゃん。」


「それじゃ、今日は、息抜きにドライブでもいくかあ!」


「おう!」




ブウォン


大きなエンジン音をたてながら、あっという間に、図書館の駐車場を後にした。


信号で止まった時、隣の歩道に歩いている、理恵と良太の姿を見つけて、手を振る。理恵が気付いて、手を振り替えしてくれたけど、違う方は良太の手をにぎっていた。



「ね、幸治、手ぇつないでいい?」


「えっ、(笑)いいよ。急にどうした?」



幸治が左手を差し出す。


「運転、危なくない?」


「別に大丈夫だよ。」




信号が変わると、車は勢いよく走り出して、ミラー越し、二人の姿はすぐに、見えなくなった・・・
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