good-friend
そのとき教室の戸が開いて、新しい先生が入ってきた。


太った男の先生・・・少し足を引きずってるのが気になる。


「起立、礼、着席」


号令が終わると先生がしゃべりだした。


「急ですが、南先生が体調を崩されて、休まれている間、私が数学を教えることになりました。名前は、」



黒板に白いチョークで名前を書き出す


中村 慎吾


決してきれいとはいえない字だった。



「読める人?」


「え?なかむら しんご?」



前列の誰かが言った。


「そのとおり。小学生でもよめるな(笑)他になにか質問あるひとはいる?なんでもいいよ。」



「・・・」



皆があまり質問をしなかったので、先生は自分で自己紹介を始めた。



「私は、35歳で独身。この高校の出身で、近くに弟と一緒に住んでいるんだ。この中でバスケ部の人?」


(何?いきなり?)


数人が手を上げた。



「その、弟は今三年生で、引退するまで、バスッケットのキャプテンをしてたんだ。」


「えーーっ!?」


皆一斉に声をあげる。



この先生、ミネラルウォーターをくれた、あの、先輩の、お兄さんなの!?
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