good-friend
「理恵、」

「・・・」

最近、話しかけても、理恵は応えてくれなくなっていた。

「ちょっと、こたえるな・・・」

今までいつも、仲が良かったから、いつも、いっしょに居てたから、なにか、日常に穴

が開いてしまったみたいだった。




学校が終わり、その日もいつものように、良太の病室が見える、中庭のベンチに座る。

「良太いないのかな?」

病室に良太の姿は見えなかった。


「そのベンチ、患者用なんですけどどけて、もらえませんか??」

「はい、すみませ・・・」


振り向くと、車椅子に乗った良太が、意地悪く笑っていた。



「良太・・・その目、治ったの??」

「右目はもともと無事だった。左目は義眼なんだ。わかんないだろ?前より、男前にな

ってたりして・・・(笑)」


涙が溢れ出してきた。こらえきれない


「良太、ごめんね。私のせいで・・・」


「お前のせいじゃない。自分でまいた、種だから、仕方ないよ。それよりお前、なんで

毎日毎日いつもここに座ってんだよ?医者でも、狙ってんの?」


「何言ってのよ(笑)」


「病室に来てくれよ。暇してんだからさ。」


「・・・文香、お前、ちょっと痩せたか?色々あって、自分の事、責めてるんだろ。や

めろよな。お前は何も悪くないんだからな。」


「なんで、私の心配なんかしてんのよ!バカ!」



文香はその場に泣き崩れた。辛さよりも優しさがこんなに心にこたえるなんて。。。


良太はそんな文香の頭をポンポンって軽くたたいた。何度も何度も。暖かい手だった。











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