good-friend
人目も気にせずに泣き続けて、病院まで歩いた。たどり着いたドアの向こうには、良太の笑顔があって、少し、ほっとする。


「どした?文香?」


優しい顔・・・


「今日、理恵が絶交するって、私に言いに来て・・・」
 

「・・・」


「あんな理恵の顔、はじめて見たの。。。私を恨んでるみたい。」


「文香。俺な・・・昨日、理恵と別れたんだ。」


「知ってる。理恵から聞いたよ。」


「俺、あの日、文香に告白して、ふられて。それから、お前を忘れようって必死だった


んだ。だから、理恵とつきあった。理恵に告白された時、これから三人の関係がどうな


るかなんて、考ずに、OKしてしまって。その後、俺達の前から、お前がどんどん離れて


いくのが、怖かったよ。理恵と2人でいても、いつも、寂しかったんだ。体の関係じ


ゃ、うめられなかった。」



「良太・・・」




理恵に言われたことを思い出す。私、良太の事何も知らないって。キスも肌の温もり


も・・・体の関係・・・ダメだ。嫉妬と悲しさが頭の中でごちゃごちゃになる。




「私、もう、良太が好きでどうしようもないよ。なんかよく分からなくなって、気持ち


が変になりそう。」



「俺も好きだよ。お前が思う以上に。」



涙でぬれた前髪をなでる、良太手を強くにぎりしめた。



もう離さない二度と。何があっても。




理恵ごめんね。本当にごめん。


今はそれしか言えなくて。。。







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