good-friend
電車が駅について、手をつないだまま、階段を、降りる。


「送っていこうか?」


「ううん。いいよ。大丈夫。明日に向けて、最後の勉強がんばって。それに、私、もう

一度、理恵の家に行ってくる。」


「そっか。。。文香ありがとな。そばに居てくれて」


「こちらこそ。ありがとうだよ。」


誰も居ないことを確かめて、二人はキスをした。


「じゃあね。明日がんばって!!!」


「ああ。また、電話するよ。」



良太と別れて文香は、理恵の家へと歩き出した。駅から五分ほど歩くと、緑色の大きな

池があって、そのすぐ隣に建つ、大きなマンションの三階に彼女の自宅がある。


「ピンポーン」


「はい?」


「あの、文香ですけど、理恵いますか?」


「ああ、文香ちゃん?」


ガチャ、扉が開いて、おばさんが顔をだした。


「この前はごめんね。。。理恵ね。ちょっと、待って。」


「理恵~理恵~文香ちゃんが来てくれてるわよ」


「・・・」


「理恵~!」


おばさんが家の奥まで入っていった。この廊下のつきあたりが理恵の部屋だ。何回も来

て知っていた。あの頃はお互いに大親友だと、言い合っていたのに。


「イナイって言って。」


「そんな・・・せっかく来てくれてるのよ。」


「会いたくないの。」



声が玄関まで聞こえてきたが、理恵の姿は見れなかった。

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