good-friend
今日は朝から雪が降り、道路に薄く積もっていた。

「文香!」

家の前の道に良太が立って、文香の二階にある、部屋を見あげる。

「良太!今行くね。」

文香が窓から顔を出して、手を振った。

最近の、朝のいつもの光景。


「寒いね~」

「寒いな。。。こんなに積もったの久しぶりだよな。」

「キャっ!滑るよ。こわい!」

「ハハ(笑)大丈夫か?俺に、しかっり、つかまって。」


良太の体にしがみつきながら、なんとか、駅までたどりついた。

「・・・あれ?電車、遅れてるみたいだね。」

「ああ・・・」

いつも、電車の発着を示す、電光掲示板が、今日は、何も示さない。

駅では、通勤通学の大勢の人が足止めをくらい、狭いホームは人で満杯だった。

「すごい、人だな。」

「ね。」


その時、ホームの人ごみに押し出されて、こちらの改札のほうまで歩いてくる、女子学

生の姿が見えた。もみくちゃにされて、髪がぼさぼさになっている、一旦、家に引き返

すのだろうか、紺色、マル襟のコート、同じ制服・・・


「良太、あれ、理恵じゃない!?」

「本当だ。 理恵!!」


良太が叫んだ。


「・・・良太!」


理恵が人ごみを押しのけて、こちらに近づく、、、


「良太、会いたかったん・・・」


後ろにいた文香の姿を見つけて、ギクっとした表情になる。

文香達はとっさに、つないでいた手を離した。


「あなたたち、もしかして、もう、つきあってるの?」


「・・・」


「理恵、ごめん。ちゃんと、説明しようと思ってたんだ。」













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