good-friend
・・・



外が薄暗くなっている。


眠っている、良太にキスをして、文香は服を着た。


「暗くなるから、もう帰るね。」



そっと部屋を出て、階段を下りるとちょうど、あやちゃんが帰ってきた。良太が救急車

で運ばれた日、一緒に病院に行って以来だった。



「あやちゃん、久しぶり。」


「文香ちゃん、来てたの? 良太は?」


「・・・疲れて眠っちゃったみたい。」


「え~!しょうがないね、あいつ・・・。」


「まあ、試験、終わったばっかりだしね。」


「でも、試験が近づいて、本当は神経質になるはずなのに、良太、最近すごく嬉しそう

だったよ。・・・つきあってるんでしょ?文香ちゃん」


「うん。実は、そうなの。」


「やっぱりね。」


「でも、理恵には嫌われちゃったんだ。」



「理恵ちゃん、良太にべったりだったからね。。。

でも、きっと良太は、前から、文香ちゃんの事好きだったんだと思うけどな。。。あい

つ、家では文香ちゃんの話ばっかりしてたし。文香ちゃんからもらった、くまのキーホ

ルダーなんて、お守りみたいに大事にしてたよ。」




その時、ガサガサ音がして、良太が階段を下りてきた。


「あれ?あや姉、帰ってきてたんだ? 二人で、何しゃべってんだよ!?」


「普通の世間話だよ。・・・それより、あんた、なんなの?その髪型?」


「変?」


「寝起きそのままじゃん、そんなんじゃ、文香ちゃんに嫌われるよ。」




パタパタ、洗面所の方へと、歩いていく良太の姿がかわいく思える。あやちゃんとくす

くす笑いあった。










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