good-friend
窓から薄明かりがさす、冬の早朝 ―


文香は寒さで目が覚めた。体が冷え切っている。


「さむっ・・風邪引きそう。」


昨日は机の上でそのまま眠ってしまったようだ。手の下には良太へのメッセージカード


が、完成していた。


暖房のスイッチを入れ、下の台所に降りていった。まだ誰もいない食卓の上で小さなカ


ップに流し込んだチョコレートを、ハートのかごに詰めていく。


・・・今日はバレンタインデー、そして、良太の合格発表の日。




「これでよし。っとシャワー浴びてこよ。」


熱いシャワーで体が温まると、急に、眠気が襲ってきた。


「あと1時間だけ寝よう・・・」


文香は暖かい布団の中で眠りについた。





「文香、文香、もうすぐ、良太くんくるんじゃないの?」

ママの声??


「う、うん・・・」


ガバッ    


一呼吸おいて、文香は飛び起きた。


「ヤバイ!寝すぎちゃったよ。」


大急ぎで着替えて、髪をとかしているときに、外で良太の声がした。


「良太、ちょっとだけ、待って!」


半分ボサボサ頭のまま、窓から、顔を出す。

手早く化粧をして、鞄と、チョコレートの入った袋を持って、玄関を出た。


「おっせぇ~(笑)」


「ごめん!昨日これ作ってたの。」







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