good-friend
「私、結婚するの。」




昼休みの保健室 ―


文香は麻美ちゃんと向き合っていた。



「え~~すごいじゃん!」


「文香ちゃんに、ちゃんと話し合うべきだって言われてからね、幸治に連絡とったの。

彼も子供の事はきちんと考えてるみたいで、まだ、自分は学生だけど、結婚しよう。っ

て言ってくれて、今は二人で暮らしてるんだ。」



お腹の大きくなった、麻美ちゃんが幸せそうに、笑っている。



「幸せそうだね。麻美ちゃん、おめでとう。」


「ありがとう。文香ちゃんのおかげだよ。」



「・・・麻美ちゃん変わったね。前はサバサバした感じだったのに。今は優しいママの

顔になってるよ。」



「ほんと?今でも文香ちゃん以外の生徒には、こんなに優しくないよ。」


「特別扱いしてくれてるんだ。(笑)ありがと」


「文香ちゃんは私にとって、大事な友達だよ。生徒でもあるけどね。。。」


「嬉しいよ。そう言ってもらえると。。。あっ、もうこんな時間だ。教室に戻らないと。」



文香は急いで保健室を出た。


教室のドアを開けると、一瞬シンとなり、皆の視線が一斉にこっちを見る。何かいつもと雰囲気が違って胸の奥が重くなった。



みんな、どうしたの?



教室に良太の姿はなかった。
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