good-friend
いつも親しくしているクラスメイトの一人が、文香にかけよってくる。



「文香、探したんだよ。どこ行ってたの?」


「保健室いってたの。どうしたの?何かあった?」



「さっき、理恵のクラスの担任が、急に来て、良太をどっかに連れてったんだ ― 

普通の雰囲気じゃなかったから、後で、理恵のクラスの子に聞いたんだけど、理恵、今

日、自宅の洗面所で、手首を切って、自殺未遂したんだって。意識がなくなるまで、良

太の名前呼び続けてたって・・」


「え・・・」


「あなたたち最近つきあってたから、そのせいじゃないかって噂が広まってるよ・・・」




背筋がぞっとした。


理恵が自殺未遂・・・私のせい!?




「私、理恵のとこ、行ってくる。」


席に戻って、鞄とコートを取り、教室から出た。


「文香、待って。今、理恵、○×病院に運ばれたんだって。」


「分かった。ありがとう。」


学校の階段を駆け下りる。



どうしてなの?理恵、自殺未遂なんて・・・



始業を告げる、チャイムの音を背中で聞きながら、駅までの道を走った。


涙をふくことさえ、できずに、走り続ける。



理恵は大事な親友だ。その親友を自殺に追い込んだのが自分だなんて・・・


私は幸せになってはいけなかったの?誰か教えてよ・・・


心の中で叫んでいた。


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