good-friend
良太も色々考えていたんだね。あなたのことだから、自分に責任を感じて、理恵をほっ

ておけなかったんだね。そんな良太だから、私はこんなに好きになったんだ。

愛してるよ。

そしていつまでも待ってる。あなたが来るまで。




校門の前で二人は固くつないでいた手を、お互いに離した。


「文香、これ、バレンタインのお返しだよ。」


「え?」


手紙と、小さな箱を渡された。



「こんなの、もらっていいの?」


「俺の気持ち、こめたから。受け取って。」


「うん。ありがとう。」


「・・・じゃあね。」


「じゃあ・・・。」



私達は同じ教室に、別々に入った。黒板にはだれが書いたのか、大きく、卒業の文字が書いてある。

この教室に入るのも、今日で最後か・・・

いつものように、クラスメイトと他愛無い話をした。チャイムがなって、担任が入ってくる。最後の朝のホームルームを終え、私達は講堂に向う。



卒業式の空気は冷たく、しん、としていて、厳粛な感じがした。

良太、あなたは今何を感じてるの?

この三年間を思い出してる?



入学式への電車の中で、初めて、あなたに出会い、私は恋をした。それからあなたに近

づいて、友達になり、友情を育んだね。あの三人の友情はとても大切で、私に無くては

ないものだったの。あなたの思いに応えられなかったことも、その友情が原因だったん

だ。いつまでも、あのままで、あなたのそばに居たかったから。

この気持ちが友情をこえていると、分かるのに、時間がかかった。あなたの左目も犠牲

にして。。。



会場にすすり泣く声が聞こえ始めてきた。


私も。。。いつも間に、泣いてたんだろ・・・あなたを思って。
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