good-friend
愛し合った、あの日々を、忘れないよ。



卒業式が終わって、クラスに戻った。担任の話が終わり、みんな、校庭へと駆け出す。

私は良太を目で追っていた。校舎の外で理恵が待っている。良太は彼女のもとへ

帰っていった。



「文香ちゃん、卒業おめでとう。」


誰も居なくなった教室。振り返ると、麻美ちゃんが立っていた。


「麻美ちゃん、お腹、はちきれそうだね(笑)」


「そうでしょ。もうすぐ、生まれるのよ。  はい、これ。」


「わ、花束!?いいの? かわい~~! ありがとう。」



「文香ちゃん、私、さっき、一緒に帰っていく、良太くんと理恵ちゃんを見かけたの。」


「・・・」


「あなたたち、本当に別れたの?」



「うん。。。でもね、気持ちはつながってるんだ。」



良太にもらった、小さな箱を指で撫でる。


「・・・そっか。」


「麻美ちゃん、もう、お迎えが来たみたいだよ。」


どこにいても、目立つ、幸治の真っ赤なスポーツカーが校門の前で止まった。


「あっ、ほんとだね。  文香ちゃん、またいつでも、遊びに来てね。」


「言われなくても、来るよ。(笑)」




麻美ちゃんが帰ってから、文香は良太にもらった、小箱を開ける。中には、小さなネックレスが入っていた。


シルバーで、トップレスに、LOVEの文字。


これが、良太の気持ち・・・

そっと首につけてみた。 良太を感じるよ。。。

ありがとう良太。



文香はそっと、手紙を開けた。
< 85 / 87 >

この作品をシェア

pagetop