good-friend
文香へ



とうとう、卒業の日が来てしまったな。今までは当たり前に、そばに居れたのに、明日


から文香は僕の隣には、もういないんだね。別々の人生が始まってしまうのが少し怖い


よ。君を失うのが怖いんだ。


でもこの別れが僕達、二人の決断なんだね。正直、まだ、信じられないよ。混乱して


る。。。


もし君が、この先の、長い一年の間で、僕を忘れてしまったとしても、これだけは


覚えていてほしい。


僕は、この三年間、君だけを愛していた。今も愛してる。そしてこれからも。


この気持ちだけを伝えたくて初めて手紙を書いたんだ。


文香がいて、僕の高校生活は輝いていた。君をはじめて、見つけた入学式の、電車の中


から。


一目惚れだったんだよ、文香。


不安そうに座っている君を守りたいと思った。そして、どんどんそれ以上に君を好きに


なっていったんだ。入院して、君の気持ちが分かった時は、世の中捨てたもんじゃない


と思った。すごく嬉しかったよ。君が僕の人生の中で一緒に居てくれるなら、他は何


もいらない。そう思った。でも現実は心とうらはらになってしまって。。。君を悲しま


せたことを心から謝るよ。


幸せになってほしい。たとえ相手が僕でなくても。


これからの大学生活、元気にがんばれよ。


今まで、ありがとう、文香。


じゃあな。
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