破片
「まぢで??」



原川桃。

入学式も欠席で顔を一度も見たことがない。


だから、悲しくも何ともないわけ。



ガラァ




「はい、席つけー」



担任は、原川桃について一切触れなかった。




そして、気付いた頃には原川桃の机はなくなっていた。




ピロピロ…



「もしもし…」




「もしもし。小野川莉子さん?」



「誰だよ!」




「…原川桃」



低いような高いような女の子の声。



いたずら電話だと思って切ろうとした。
< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop