【執筆チャレンジ】タイムカプセル(起)
「玲、タイムカプセル埋めたの覚えてっか?」
「うん?それがどうしたの?開けるのまだだよね?」
古典が終わった休み時間、俊ちゃんがノートを借りにきた。
「いや、開けんのは二十歳になってからなんだけど、ちょっと状況が危うい」
あれ、次オーラルコミュニケーションだよね?教科書どこだろ…?
机の中をがさごそ探し回りながら聞いてたから、驚いて顔を上げた。
「ん?危ういって何が?」
俊ちゃんは頭をがしがし掻いてる。
「なんかさー、校舎増築するらしいじゃん?」
「あー、万里ちゃんから聞いた」
「へぇ、万里花とか結構会ってねぇな。まぁそれで、花壇があった所に新しく建てるらしい」
「ふーん」
花壇のパンジー意外と好きだったのになぁ。
「ふーんって…覚えてねぇだろ。あそこにタイムカプセル埋めたじゃねぇか!」
「…あぁ!」
マジで忘れてたんか…と肩を落とした俊ちゃん。
え、校舎建ったら掘れなくなっちゃう!
「やばくない!?」
やっとわかったのかよって感じの呆れた顔した俊ちゃん。
「そう、だから場所変えなきゃって話をだな…」
「2人に言わなきゃ!」
「…まぁそういうこった。じゃ、2人にメールしとくな」
そういってさらっとあたしの生物のノートまで持っていったよ俊ちゃん…。
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