だけど、これは届かない
「クラスどうだった?」
テンション低めの私とは正反対に元気良く、咲ちゃんは私に聞いた。
「どうもこうも…はあ…」
春の日らしい暖かい空気の中。私たちは学校を出て駅に向かって歩いていた。
「なに、友達できないの?」
「できそうもない」
これは私が悲観的過ぎるのではなく
多分、本当にできない気がするんだ。
こういう場合にも、女の勘は働く。
「大丈夫だよ!まだ初日!」
「最初が肝心、って言うじゃん」
空気だけは清々しい。
清々しいの逆の言葉が見つからないけど
とにかく私の心は今日の青空のようには澄んでいなかった。