だけど、これは届かない


志望高校を決めたのも

諦めかけたのも

受かった報告をしたのも

この場所なんだなあ、としみじみ思う。


「志望校言ったとき、先生笑ってたよね?」

本当にいいの?としつこく確認を繰り返されたことは忘れない。

「受かると思わないから」

先生の正直すぎる答えに思わず笑う。でも受かったし!と反論する。知ってる、と返される。


「受かるってすごいよ」

何かしら作業をしながら先生は私の話を聞いてくれて、それが私の安心感につながる。

来てよかった、と思った。
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