君だけの…
ぽかーん、と口が開く。
なんか、この人、外見はチャラチャラしてるのにベース持つと真剣になる。
上手い。あたし、初めて負けるかもって思った。
なんかこのバンドみんな上手い。
これなら、成功できる。
「はい、じゃあ次!」
次は、と。
さっきから一回もしゃべってない黒髪の人だ。
ミステリアスちっくな人だな〜。
「…クール系榊原銀。
担当キーボード」
必要最低限だな〜。
仲良くなれるのかな…。
ちょっと心配。
すぐに移動してキーボードの前に立つ。
ぽんっと音が響く。
押し寄せてくる音の波。
これ、ジャズの曲だ!
指、ホントに10本!?
なんかいっぱいあるように見える…。