君だけの…




はあ。おわった…。
脱力感が残る。

なんか、静か。
静かすぎて怖い。

そんなに下手だったかな?


朝風さんでさえ、何も言わない。

「あの…下手でしたか?」

「いや、噂には聞いていたが、こんなに上手かったとは…」

沈黙を最初に破ったのは、朝風さんだった。

「俺のベースが負けるとは…」

「すごっ!!」

「上手いー!!」


メンバーのみんなも口を開く。

みんなあたしが下手だから黙ってたのかと思った!
よかった。褒められて。


「よし、全員終わったな。
みんなもわかったかと思うが、WINGSは事務所で担当の楽器が一番上手い奴を選抜して作ってある。

だから、みんなこんなに上手かったんだ」

そゆことね。
選抜チームだったんだ!
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