Secret*Luv...


人の姿が無くなってきて

あたしたちも
そろそろ帰る事にした。


「結構、楽しかったね!」

「ん? うん...まぁ、」

どうやら
あたしの水着姿が見れずに
拗ねているらしい。


「あたし、着替えてくる!」

脱がされる前に!!

「待って!!」

「ぎゃ...っ」




背中に感じる、
心臓の音。

「さと...し...?」

「も、ちょっと、
ゆっくりしない?」

聡、すっごく
ドキドキしてる。

でもあたしも
それと同じくらい
ドキドキしてる。

「ちょっと、待っ...」

パーカーのファスナーに
聡の手が触れた。

「まだ、脱がせてねぇし」

「...!」

ぬ、脱がせる気だ!

「まままっ待ってよ!
やっ...」

ジーー。

静かに
ファスナーが下ろされた。
「見せて。俺に。」

は...恥ずかし過ぎるっ

「や...だっ」

でも
女のあたしが
男の聡に勝てる訳もなく。
「勝手に見ちゃお〜っと」

正面を向かされて

「ばかっ!じろじろ見るな!!」

「....」


どうしよう、
足の指先まで、
ドキドキしてる。

頭がガンガンする。

もう、立っていられない...。




「すげぇ可愛いよ、英李」




違う、

そんなこと
言って欲しいのは
聡じゃない。

「...っ、..ふっ..ぇ」

好きな人に、
言って欲しいよ。

「...英李?」

名前だって。

好きな人に、
呼んで欲しいよ。

「どうしたんだよ...?」

まだ、好きなんだよ。
どうしようもないくらい。
「ごめん、ごめんな?
俺一人で突っ走ってた」

恭夜にはもう
彼女がいるのに。

あたしはまだ
未練たらたらで。


「聡。」

「ん?」

「あたしまだ、恭夜が好き」

.
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