桃色!
☆一章☆

好きと憧れは違う?




秋の初め。
つい最近まで、あんだけ照りつけてた太陽も、今ではあんまり存在感を持ってない。



「きゃー!今日もかっこいい!」
「朝から見れるなんて、ラッキーだったね!」



私の横をおっきな声で喋りながら通りすぎる、きゃぴきゃぴ女子たち。

………ああ。
朝っぱらから忙しいことで。

なーんて、実はものすんんんんんんんごく羨ましいんだけど!


私は、高月ののか。
高校1年生!

今は秋だから、女子高生になってから大分経ちましたさ!
周りの同級生たちは皆、完全女子高生らしくなっている時期ね。

でも、私はねー、なれてないんだよね!!
華奢って言われれば褒め言葉だけど、あれなわけですよ。
「チビチビー!」って、からかわれるタイプ。うん、まさにそれなわけで。

中学生にも見えないこともない容姿わ、とおおおおおってもコンプレックスなわけなんですよ!!



…話は戻って、何が羨ましいかと言うとですねー。

さっきの子たちが騒いでたのは、あの子たちよりも少し前に、あたしを追いこしてった男子。

蓮見歩くん。
1年5組。1年にしてサッカー部のホープ。
はっきり言っても言わなくても、絶世の美男子ってやつね。

まあ、当たり前のように超モテる。
さっきのきゃぴきゃぴ女子たちも騒いでたし、まだまだ朝っぱらから騒いでる子はわんさか居るんだろう。


ちなみにあたしは1年1組だから、クラスも遠いし、面識は全くない。



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