桃色!



それから終礼まで、あたしの頭の中は、常に蓮見くんとの会話がリピートされていた。

も~、思い出しただけで天にものぼる気分だわ!!


んで、終礼時に。
榊原くんに言われましたさ!


「高月さん何でそんなに、にへにへしてんの?」

「に、にへに…!!?」

「ずっとニヤついてたよ、何か良いことでもあった?」


う、まずいな。
あたし、あれからずっとニヤニヤしてたらしいし。
てか、にへにへって!
ニヤニヤよりレベル高いんじゃないか!!?


「へっへへー、実はね!蓮見くんとお話しできたんだよーん!」


ありゃ、これは、我ながらテンション高すぎたかもしれない。


「え、本当?朝礼ん時は、絶対無理ーみたいなこと言ってたのに?」

「うん、まあ偶然だったからね、聞いてくれますー?」

「うん、是非」


あたしは榊原くんに、事細かくお昼休みのことを説明した。


「なるほど、そんなことがあったんだ」

「でもね、自己紹介とかしてないし、一瞬の出来事だったから、蓮見くんはあたしのこと覚えてないかもしれないなー」

「だったら、また廊下で会ったときにでも、もう一度お礼を言ったらどうだ?それを口実に、自己紹介もできるだろ」

「はっ!なーるー!」


ああ、こんな考え、あたしの悪い頭じゃ思い付かなかったよ!

いや、そこわ計算高くない、純粋ガールとでも言ってほしいね。



「あたし、そうしてみる!榊原くん!ありがとう!」




…ああ、恋って不思議ですな!

なーんにも話すきっかけがない時はあんなに消極的だったのに、きっかけや口実さえあれば、こんなに積極的になれるなんてね!


うん!今のあたしなら、空も飛べるはず!!



ビタンッ。



………飛べませんでした。



放課後、階段から思いっきり落下しましたね…。



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