桃色!



あ、ちなみに榊原くんは、あたしが蓮見くんに憧れてるのを知ってるのね。

前に少し相談?てか惚気?(全く面識がないのに惚気ることができるのも、ある意味凄いと思うけど)を聞いてもらったことがあってですねー。


「あ、今日ね!蓮見くんに追いこされたんだよー!」

「へえ、それは良かったね」

「うん!そしたらさー、あたしの後ろ歩いてた子たちも騒いでたよ~知ってたけど、やっぱモテるよね!」

「そうだな、高月さんみたいに、密かに好きな人だって沢山いるんだろうね」

「あっ、あたしは好きとかじゃなくて!憧れてるだけだよっ」

うん、なんとなくね、蓮見くんを、あたしの好きな人、なんて呼ぶのが恥ずかしくなっちゃった…。

だって、遥との絡みといい、あたし、絶対可愛くないよねええええ!!?


「え、そうなの??」

「だって、面識ないし、蓮見くんはあたしのこと知らないのに、好きなんてねー、厚かましくない!?なんて思っちゃってさー」

「話してみたらいいじゃん?」

「んなー、話せるものなら今までにも話してマスヨ?」

なんか、かたことになってる!
だって、この言い訳は…自分でも意味が分からん!!
話せるならって、話そうとしたことなんてねー、ないね。うん。



そこまで話したとこで、先生が入ってきた。


いっつもだけど、先生来るの遅いなー。

まあ、その遅刻魔の先生のおかげで、榊原くんともよく話すようになったんだっけね。


榊原くんの意見はいつも正確で、ビシッとくる。

だけどあたしの勇気のなさには劣るわー。
って、なんか榊原くんが悪いみたいね。違う違う。


そうだよねー、せめて話すことができて、名前を覚えてもらえたらなー。

でも、話したり、自己紹介したところで、女の子に興味がない蓮見くんは、わざわざ名前を覚えてくれるもんなのかな?

ああ、だめ。
またネガティブ思考になってしまった。
いかんなー。




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