逃避行

１ 何もかもいつも通りだった

「おはよう､皆！」
あたしは教室に入って一番最初にこう言うんだ。
嫌いな人にも挨拶ぐらいしなきゃね･･･。
「おはよう､朱南！！」
そういってあたしに駆け寄るのは､いつも３人の女子。

短い黒髪のコは立木　摩歌(たちぎ　まか)。あたしの友達１。
いつも冷静沈着で､大人の女性って感じがするな。憧れ♪

いつもハイテンションな元気娘､花岡　零奈(はなおか　れいな)。あたしの友達２。
元気と大食いと怪力がウリなクラスのムードーメーカ。

クリーム色の髪のコは仲野　百合子(なかの　ゆりこ)。あたしの友達３。
百合子とは小学校からの大親友なんだ。

基本あたし達は４人で行動するの。クラスの中でも中心グループだし。

「なぁ朱南！昨日のセパ交流戦見たか！？俺､感動しちゃったぜーー！！」
零奈は女のコっぽい見た目だけど､男口調ってギャップがある。
最初は結構ビックリしたっけ？今は慣れたけど･･･。
「見てない。だって昨日は月曜日よ？」
「んあぁ､月９かあ。皆好きだねぇ」

あたし達は皆月９に夢中。
「来週の展開､気になるよねー」
「うんうん」

火曜日は大体こんな感じの会話。


「おーいホームルーム始めるぞー」

あたし達が盛り上がっていると､先生の声が響いてきた。
もっと話したかったけど､しょうがないかぁー。

あたし達は各々自分の席に戻った。