恋涙




そう。

あれは、夏のことだった…







友達の紗希<サキ>から連絡を受けたあたしは、駅前で紗希と待ち合わせをしていた





「…ったく、紗希はいつも遅刻ばっかりなんだから」


あたしは携帯に映る時計を見ては周りを見渡し、ため息をついていた



「澪ー!」


改札口から走って手をふる紗希の姿に、あたしは、紗希に近づいた




「遅い!自分から呼び出しといて…」


「ごめんって!」



必死に謝る紗希に呆れながらも、あたしはある存在に気付いた



「紗希…後ろの人だれ?」





紗希の後ろをさっきから着いてくる同い年くらいの男の人



「あ、紹介するね!あたしたちと同い年の南雲陽堵<ナグモ ハルト>。あたしの彼氏」



「どうも。南雲陽堵です。君の噂はよく紗希から聞いてて、会ってみたいって思ってたんだ」




…紗希の彼氏



少し複雑。
…しかも噂って何?


< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop