恋涙
そう。
あれは、夏のことだった…
友達の紗希<サキ>から連絡を受けたあたしは、駅前で紗希と待ち合わせをしていた
「…ったく、紗希はいつも遅刻ばっかりなんだから」
あたしは携帯に映る時計を見ては周りを見渡し、ため息をついていた
「澪ー!」
改札口から走って手をふる紗希の姿に、あたしは、紗希に近づいた
「遅い!自分から呼び出しといて…」
「ごめんって!」
必死に謝る紗希に呆れながらも、あたしはある存在に気付いた
「紗希…後ろの人だれ?」
紗希の後ろをさっきから着いてくる同い年くらいの男の人
「あ、紹介するね!あたしたちと同い年の南雲陽堵<ナグモ ハルト>。あたしの彼氏」
「どうも。南雲陽堵です。君の噂はよく紗希から聞いてて、会ってみたいって思ってたんだ」
…紗希の彼氏
少し複雑。
…しかも噂って何?