幼馴染みは男嫌い


「……うそだ」


今にも消えそうな小さな声だった

後ろを向いてリビングを見ると
ソファーの上で体育座りをして
顔を埋めていた


華奢な体が小さく震えて


あぁ…何やってんだろ

って思う



姫野が男嫌いなの知ってて
付き合ったのにこんなことで拗ねてさ



こっちのほうがダセェし…



「姫野…」

「―‥…。」



「俺、本当に怒ってねえって



………………す…ねた…だけだ」


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