俺の天使
しばらく会話がなかった。
けど気まずい空気とかじゃない。
「ねぇ…遥樹」
「ん?どした?」
「あのさ…」
萌香は照れているのか、下を向きながら歩いてる。
前向かねーと危ねーぞと思った。
「なんかあったか?」
「えと…勉強教えて下さい」
なんだ、そんなことかよ。
「んなの全然OK。むしろ教えてーし」
「よかったぁぁ…」
「そんなに緊張したのかよ」
「だって勉強教えるの嫌だよなって、面倒くさいよなぁって思ったの」
「思わねーよ」
なんでそんなに俺に気つかうんだ。
俺の前では素直で居ろよ。
全部受け止めてやるから。
じゃねーと俺が不安になるんだよ。