離れていても、恋してる。

 ――ドンッ

わっ!誰かにぶつかった。

「ごめんなさい。」

「いいよ。」

「…」

こわくて頭があがらなかった。

先輩だったらどうしようと思って「大丈夫?」と言われたけど何も言えなかった。

「…」

相手も黙ってしまった。

 ――ふわっ

急に体が浮いた。

「よっこいせっ。」

え…。お、おんぶ?

「あの…なんでおんぶなんですか…?」

「えっ!怪我してて痛いから黙ってたんじゃないの?」

「いえ…。怪我なんてしていません…。降ろしてください。」

「もしも怪我をしていたときのために保健室に行こっか。」

…何言ってんのこの人…。


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