何故か私、不良の彼女になりました
「え?」
「……クラス」
「あぁ、クラスね」
やっと意味が理解できたのだろう、マキは背中から手を離して頭を撫でてやる。
「……ところでさ、円香」
「はい?」
抱きついていた少女は不思議そうな顔をしながらピタリと撫でる手を休めた彼女を見上げる。
「あたしはこのままでも構わないけど、今、登校中だよ?」
その言葉により、バッと効果音がつきそうな勢いで離れ、辺りをキョロキョロ見渡した。
チラリと不思議そうに目をこちらに寄越す人もいれば、好奇心で見てくる人達もいて、恥ずかしさのあまり俯いた円香。