何故か私、不良の彼女になりました
「おい、お前」
こちらを見て、来いと目で合図する。
それに気付いたマキは彼女の手を握り、一歩後退さった。
金髪男はそれを横目に、面倒だというように息を吐き出し、煌びやかな髪を片手で掻き上げる。
次いで腕を組み、何やら隣にいた長くも短くもない、水色をした髪の男に話しかけた。
するとすぐにその男はコツコツと音を鳴らしながら教室の中へと入り、彼女達の前で長い足を止めた。
マキは掴んでいた少女の手に力を込める。
円香は不安そうに、その男を恐る恐る見上げた。