何故か私、不良の彼女になりました
マキは黙ったまま男を見据える。
男は笑顔を崩さないまま、チラリと隠れている少女に目を向けた。
円香は不安そうに大きな瞳を揺らし、ぎゅっと唇を閉ざしている。
「…安心して。君達に危害は加えないよ」
大丈夫とでもいうように微笑みを浮かべ、彼は背を向け金髪男の方に足を運ぼうとした。
だが何かを思いついたのか、足を戻し背を向けた状態のまま顔だけ振り向いて、マキに視線を投げた。