何故か私、不良の彼女になりました
「…ねぇ、そんなにその子が心配なら、君もついてくる?」
僕も行くからという彼に、マキは二つ返事で即答した。
「マキちゃん…」
眉を垂らし、きゅっと彼女の握る自身の手に力を少しだけ籠める。
「……」
マキは突然のことに目を見開く。そして微かに震える少女を目にし、円香の小さな手をゆっくりと握り返した。
「…大丈夫。あたしが円香を守るわ」
ポンポンと、握っていない方の手で円香の頭を優しく叩く彼女に、少しだけ安堵する。
そのやりとりを見ていた水色の髪の男は興味を持ったかのような目をマキに向けていた。
「行くぞ」
何処に行くのかも知らないまま、円香達は金髪男の背を目に映し、歩きだした。