何故か私、不良の彼女になりました
そちらに視線を向けると、クックッと肩を震わせ、忍び笑う英二が立っている。
(何故笑っているのでしょう…)
今笑うような場面はあっただろうか、とまたもや不思議そうに首を傾げる。
だがそれも一瞬で、叫びにちかい声が耳の中に響くと、思考回路は自然と閉ざされた。
「ちょっとアンタ!」
マキが彼女と不良の間に飛び込んだ為、金髪男は不機嫌そうに眉を動かす。
「何だ」
その顔には面倒くさいとしっかり書かれていたが、マキは勿論無視。
「いきなり馬鹿なこと言わないで。 何でアンタの彼女に円香がならないといけないのよ!」
「…何故だと?」
強気の姿勢を崩さずにまくしたてる彼女を一切気にせず、可笑しそうに笑みを深める金髪。