何故か私、不良の彼女になりました
「マキ、ちゃん…?大丈夫ですか?」
震えて、何かを恐れているような背中に声をかけると、ビクッと小さな後ろ姿が揺れた。
振り返った彼女は、やはり恐がっている姿にしか映らない。
(細川先輩が言っていた“匂う”が、マキちゃんにこんな表情をさせている…?)
円香はその原因を必死に探した。
マキには、そんな表情をしていて欲しくない。
(匂う、匂う、匂う…)
ひとり唸っていると、突如ピカリンと頭の中で何かが閃いた。