何故か私、不良の彼女になりました
「…実はね、円香ちゃん」
その様子を観戦していた英二は、円香の疑問に答えようと口を開く。
(あぁ…、もう駄目だ)
終わった、とマキは頑なに目を瞑った。
ふるふると震え目を閉ざす彼女を横目で見、彼は微かに微笑む。
「……、僕達、鼻がよく効くんだよ。 ね、聡」
英二と彼は互いに視線を交わせる。それが一体何を意味しているのか円香には到底理解出来ず、それに意味があることにさえ気付かない。
「…あぁ」
どうでもいい、と面倒くさそうに肯定の姿勢をみせる。
(そ、そうだったのですか)
通りで気付かないわけだ、と妙に納得する円香。