何故か私、不良の彼女になりました


「でもさ、本当物騒だから…、危ないよ?」


英二の言葉で思考を遮断し、斜め後ろを向く。

彼女はそれを聞き、フッと鼻で小さく笑う。


「……物騒って、アンタらの方がよっぽど物騒じゃない」


そう思わず口を滑らせた彼女に円香は内心こくこくと同意した。


「……」


ゆっくりと、見せ付けるように上がる英二の口角。


「へぇ…」


彼は妖しく瞳を光らせる。その瞳は柔らかくなく、何処か冷たく鋭い。


「そんなこと…、言っていいの?」


コテン、と首を傾げる彼にマキはしまったとでもいうように目を泳がせた。



< 67 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop