何故か私、不良の彼女になりました


「マキちゃん、塵収集車さんに渡したら、キリキリのギザンギザンにされちゃうんですよ!?」


キッと力強く発する円香にさらに疑問が浮かぶ。


「キリキリ…?」

「……ギザンギザン」


英二、聡も理解出来ない様子で、互いに顔を見合わせる。


「あの…、円香…?」

「焼いて煮るのも駄目ですけど、キリキリのギザンギザンにされるのは痛いですっ!」


キッと何故か力説し、拳を握り締め語った。


(あぁ…、やっと意味が分かった)


マキは思わず苦笑する。


(円香はそう…、トロ…じゃなかった、鈍いんだった)


だから途中から彼女の声が聴こえなかったのか、と納得した。



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