何故か私、不良の彼女になりました
「でもそっかー」
実に残念そうに顔を沈ませる。
そして。
「…………つまらないな」
ふぅ、と髪を掻き上げる彼を円香は耳を疑ったように凝視する。
長い髪を軽く払う彼女は仁王立ちをしながら、呆れたような、けど何処か笑みを含ませた表情をみせた。
青年はマキからの視線を受けると、それを交わすみたいに顔を反らす。
少女は目を丸くしたまま、もう一度男の顔を注意深く眺める。
英二は目を和やかに細めて彼らの様子を観察していた。
(………い、今この人、なんて言いましたか?)
驚きのあまり開いた口が塞がらない円香。