何故か私、不良の彼女になりました


(つまらないって聞こえたんですが…)


試しに自分の耳を引っ張ってみる。


「……」


(…痛い)


どうやら力を入れすぎたようだ。

じわっ、と涙目になる。


「円香ちゃん、何してるの?」


不思議な色合いの前髪を踊らせながら、唇を歪ませた。


「……、あ、いえ」


なんとなく、パッと目を反らした。

ついでにさりげなくマキと聡に視線を移す。

彼らは驚いたような態度は一切見せなかった。



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