何故か私、不良の彼女になりました
「………それより、いつまで此処にいるつもりだ」
その不機嫌そうな言葉に彼女達は顔を見合わせる。
(…確かに、マキちゃんと離れたくありませんが、これでは日が暮れてしまいます)
青空を見上げると、大分太陽が昇っていた気がした。
「……帰りましょうか」
空から視線を外し、彼女に投げて軽く微笑む。
「……円香、本当に大丈夫?」
小声で円香に訊ねるその姿は、心から本当に心配している表情だった。
「……」
(マキちゃん…)
少女はフと目を閉じ、次の瞬間には笑顔が輝く。
「大丈夫です。心配いりません」
そう言うと、円香は歩き出し、振り向き側にマキに手を振った。
彼女はまだ心配そうにしていたが、それでも手を振り返す。
それを目にし、円香と聡はその場から姿を消した。