何故か私、不良の彼女になりました
付きまとわれる日々
いつもの、登下校する道。いつもの、制服。
いつもの……、
「円香ーっ!」
はっと自分を呼ぶ声で我に返り、辺りを見渡した。
(こ、此処は…)
周りに視線を移すと、いつもと同じ通学通勤する人々が目に入る。
(あ…、私……)
「円香!」
「あ、マキちゃん、おはようございます」
律儀に挨拶をする彼女はちゃんと頭まで下げた。
「ん、おはよー」
それに最初は驚いたものの、慣れるとあまり気にならなくなったマキ。
「あ、円香、ネクタイ曲がってる」
「え!?」
彼女は目を丸くし、自身の胸元辺りに視線を彷徨わせ、手で直そうとそれを動かす。