何故か私、不良の彼女になりました
「……昨日、あの金髪男と何かあった?」
「え…」
彼女のその問い掛けに、円香は顔を強張らせる。
何かを観察するように、じっくりと少女に視線を浴びさせるマキ。
「あ…、え、と…」
戸惑いを浮かべ、忙しなく目を泳がせる。
その様子を眺めていたマキは、ぽつりと呟いた。
「……何か、あったんだね」
少女は困惑気味にはにかみ、少し間をとった後、小さく首を縦に振る。
「…歩こうか、このまま此処にいても、学校に遅れちゃうし」
「……はい」
ふたりはゆっくりとその場を離れ、歩きだした。