寸止めの恋心
Ⅰ きみ
きみはいつだって、そのまぶしい笑顔をあたしに向けていた。
自分がどんなに辛いときだって、涙一つ流さずあたしには笑顔をむけた。
本当はどんなに心が痛んでいるのか知っていたけれど、それを指摘されるのはきみにとって1番いやなことだとも知っていたから。
だから、好きになった。
季節が重なって、過ぎ去って行くたびに、あたしはまた、きみに恋をする――