毒舌最強少女の日常


しかし…女中か。

瑠偉も、だろ?


やっぱり意味分かんねえ…。


「土方さん。朝ご飯を作りに行きましょう」

「…あぁ」


********


―――トントン
――――グツグツ


「…料理、うまいな」

「え?ああ、ありがとうございます」


瑠偉の包丁さばきを褒めたら、素直に笑ってくれた。

…女には甘いのか?


だったら、女も悪くねえな。


「瑠偉、出汁がとれた」

「じゃあ、そこにある味噌を溶いてください。味は土方さんの好みで構いません」

「分かった」


言われた通りに、味噌汁を作る。

瑠偉が野菜を切るトントンという音を聞くと
心地よかった。


出来上がった味噌汁を味見しようと、口に含む。


「土方さんは」

「ん?」

「好きな人、いるんですか?」

「ブフォッ!」


味噌汁を吹いた。

す、好きな人ぉ!?


恋仲のお前が何を………。


―――そうか


俺が女である今、俺と瑠偉は恋仲ではないのか。



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