毒舌最強少女の日常
【斎藤と瑠偉の入れ替わり】
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「試合しよう」
斎藤さんと顔を合わせる度に言われるセリフに
またか、と思いながらも付き合うことにした。
「…今日は疲れているので、一回ですよ」
「あぁ…」
私も斎藤さんも、竹刀を構えて、対面する。
合図なし、制限時間なし、それが私達の試合の仕方だから、どちらかが動いたら試合開始。
――ダンッ
床を踏み切った音がして、斎藤さんが目の前にくる。
振り下ろされる竹刀を避け、私が攻撃しようとしたとき…
「え、ぅわっ!」
袴の裾を踏んでしまい、私は後ろ向きに倒れる。
「林…っ!」
斎藤さんが私の腕を掴み、倒れるのを阻止しようとするも
――ドンッ、…ゴツッ!
斎藤さんを巻き込んで倒れ、お互い頭をぶつけてしまった。
「いっ…!」
「す、すまない。大丈夫か林…」
「いえ、今のは私が……悪…、い……え?」
私の身体が下敷きになってるはずなのに、私は誰かの上にいる。
ってか声が低い…?
「っおい!?斎藤、おまっ、なに押し倒してやがる!?」
何故か居る土方に肩を掴まれ、ムカついた。
「は!?押し倒すとか何言ってるんだ頭が逝ってるのか?転けてこんな状況になったことくらい見て考えられないのか低脳」
「さ、斎藤…?」
「……俺?」
「―――は?」
土方は私を見て「斎藤」と言った。
ってことは、今私の下にいるのって…
「……私、じゃない。斎藤さん、ですか」
「あぁ…」
あぁもう
またか。