毒舌最強少女の日常

【斎藤と瑠偉の入れ替わり】



*******


「試合しよう」


斎藤さんと顔を合わせる度に言われるセリフに

またか、と思いながらも付き合うことにした。


「…今日は疲れているので、一回ですよ」

「あぁ…」


私も斎藤さんも、竹刀を構えて、対面する。

合図なし、制限時間なし、それが私達の試合の仕方だから、どちらかが動いたら試合開始。


――ダンッ


床を踏み切った音がして、斎藤さんが目の前にくる。


振り下ろされる竹刀を避け、私が攻撃しようとしたとき…


「え、ぅわっ!」


袴の裾を踏んでしまい、私は後ろ向きに倒れる。


「林…っ!」


斎藤さんが私の腕を掴み、倒れるのを阻止しようとするも


――ドンッ、…ゴツッ!


斎藤さんを巻き込んで倒れ、お互い頭をぶつけてしまった。


「いっ…!」

「す、すまない。大丈夫か林…」

「いえ、今のは私が……悪…、い……え?」


私の身体が下敷きになってるはずなのに、私は誰かの上にいる。

ってか声が低い…?



「っおい!?斎藤、おまっ、なに押し倒してやがる!?」


何故か居る土方に肩を掴まれ、ムカついた。


「は!?押し倒すとか何言ってるんだ頭が逝ってるのか?転けてこんな状況になったことくらい見て考えられないのか低脳」

「さ、斎藤…?」

「……俺?」

「―――は?」


土方は私を見て「斎藤」と言った。

ってことは、今私の下にいるのって…



「……私、じゃない。斎藤さん、ですか」

「あぁ…」



あぁもう
またか。



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