毒舌最強少女の日常
私は絶望に似た感情に頭を抱える。
なんだってこんなハプニングばかり起こるんだ。
しかもよりによって斎藤さん。
気まずい。ものすごく。
とりあえず
私は起き上がってみた。
「…林。これは一体どういう…」
斎藤さんが呆然としながらも訊いてくる。
「入れ替わりってやつですよ。強い衝撃のせいで精神が入れ替わっちゃった感じです……チッ」
私は何回目かの体験に舌打ちする。
すると、
「さ、斎藤じゃなくて瑠偉…なのか」
今まで空気と化していたトシが私に訊いてきた。
…目線の高さがトシとほぼ同じってのは新鮮だな。
いらないフレッシュさだが。
「チッ、今までの会話で察しろよボケカス死ね」
「瑠偉だな」
その毒舌は間違いない、と頷かれるとムカつく。
ヒクリと引きつった口角を上げるが
「斎藤組長っ!」
冴えない隊士(←)が斎藤さんを呼んだ。
……私を見て。
私は引きつった表情を無表情にして
「……どうした」
と、言った。
「あの、稽古をつけてもらえないかと思いましてっ」
「すまない…。今、林と試合をしていたら足を強打してしまったようで…、医務室に連れて行くことになったんだ…」
チラッと、私の姿をした斎藤さんを見ると、隊士もつられて見る。
未だに座り込んだままの斎藤さんを見て、事実だと納得したらしい。
「えっ、瑠偉さんが怪我!?鬼の攪乱…じゃなくて、そうなんですか…」
「あぁ…、すまないが稽古は後日に…」
「分かりました!」
お大事に!と言って隊士は去っていった。