毒舌最強少女の日常
振り返ると
豆鉄砲をくらったような、という表現がピッタリくる表情をしたトシと斎藤さんが。
斎藤さん、私の顔でそんなアホみたいな表情しないでくれ。
「…何。今の対応に文句でもある?」
「いや、むしろ完璧に斎藤だった……」
トシの言葉に斎藤さんは呆然としたまま頷いた。
だからその表情をやめてくれ。
「斎藤さんは演じやすいから。トシみたく眉間にシワ寄せて怒んなくても良いし、沖田さんみたくニコニコしなくても……どうしたトシ」
「瑠偉。…総司と入れ替わったことあるのか?」
「?言ってなかったか?」
そう言うとワナワナと震えだしたトシ。
なんだなんだ、キモいな。
「総司の野郎っ!ぜってぇアイツは入れ替わってる間に瑠偉の身体触ってやがるよな。瑠偉に惚れてるし。クソッ、爽やかな顔しやがって変態め!」
「沖田さんとお前を一緒にするなよ変態」
なんでそうなる。
妄想も甚だしいなオイ。
「は、は、林」
「何ですか斎藤さん。そんなにどもって」
「いや、自分の顔に呼びかけるのは慣れてなくて…な」
あぁ、と納得。
私は慣れたからな。