毒舌最強少女の日常



「それで、言いたいことは?」

「あ、あぁ…。その、だな。どうやったら元に戻るのかと…」

「なるほど」


私は斎藤さんの演技が出来るが斎藤さんが私の真似……無理だろうな。

だいたいこういうのは1日したら勝手に戻るのが王道だが…。


「早く戻りたいんですよね?」

「無論」

「じゃあ…」


私は座り込んでる私、もとい斎藤さんの胸ぐらを掴み、立たせて


「歯ぁ食いしばってくださいね」

「ま、さか…」


怯えている斎藤さんに普段見せない笑みを見せて


「たぶん、予想通りですよ」


――――ゴッ!


「――――いっ…!」

「〜〜〜〜っ!」


自分でやっといてなんだが…痛い。

痛む頭を押さえていた手を眼前に持ってくると


「戻った…」


先ほどまでの骨ばった大きな手ではなくなっていた。

斎藤さんも自分の頬をペタペタと触り、ホッと息を吐いていた。


「林…、助かった」

「いや、まぁ私が転んだのが原因ですから」

「少し………試合は控えるか」

「ですね」



二人同時にため息をついて
この騒動は幕を閉じた。



――――――――…



(ん?トシ居たの?)

(ずっと居たが空気になってたな)

(とんだ勘違いをした挙げ句に空気と化していたのか)

(………)





【END】
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